通信制高校とは、単位を取得することで高卒資格を取得可能な学校です。数年間で数十単位を取得し、かつ数十時間の特別活動(スクーリング)に参加する必要があります。
一方で登校は必須ではなく、スクーリングの回数も学校によって異なります。また、勉強は自分のペースで進められるのが特徴で、自宅など自分の好きな場所で学習できます。学校によっては高校の教科以外の科目や、ITやアートなど専門的なカリキュラムを提供しています。自分の好きな分野について、トコトン学べるのも通信制高校の魅力といえるでしょう。
高校という学校組織として見れば、通信制高校は全日制・定時制高校と同格の存在といえます。ただし、単位制を採用している点や学習の流れの違い、さらに学校によっては特別授業があるなど、独自な面も多々あります。かつては勤労青年が高校卒業資格を取得するために設立された通信制高校も、近年は不登校生徒や芸能人・スポーツ選手など特殊技能を活かした人たちの受け皿として在校生が増加している傾向もあります。
全日制は毎日学校に通わなくてはなりませんが、通信制高校は、必要時以外は独学での学習システムで、レポート提出などがあることから“通信制”とくくられているのです。近年までは、第一選択とするなら全日制を選ぶ場合が多く、通信制や定時制を第一選択にすることは少なかったです。
しかし、通信制高校はなんらかの理由で不登校になった人や、高校を一度退学した人が行くことのできる高校として、注目を集めています。他の進学校に比べると入りやすく、自由度が高く、自分のペースで学習することができます。且つ、個別指導での細やかなサポート、通信制高校は今の時代のニーズにマッチした新たな学習スタイルともいえるのです。
詳細ページでは、そうした通信制高校の特色を知るために必要な基本情報を網羅してみました。もちろん一般の高校と同様、学校による違いも多々あるので、検討する際は資料請求するなどして、具体的な授業内容や指導方法を確認するようにしてください。
よく間違えやすいのが高卒資格と高卒認定です。高卒資格は、実際に高校へ通い、条件を満たせば卒業資格を得られることをいいます。一方の高卒認定は、高卒と同等の学力があることを示す認定試験です。高校を卒業しているかという点が異なるほか、費用や取得にかかる期間も違います。
通信制高校は、多様なバックグラウンドを持つ方が在籍しています。例えば不登校やいじめを経験した方や、全日制高校を中退した方が通信制高校を選んでいます。また、発達障がいなど、学習に問題を抱えている方も通っています。このほか、仕事や夢と両立させるために通信制高校を選ぶ方もいます。
単位制は、主に通信制高校の卒業に必要な条件として定められている制度です。各学校が用意している授業を履修することで単位を取得できます。全日制高校では学年制を採用していますが、通信制高校の多くは単位制です。単位制は自由度が高く、自分のペースで学べるなどの特徴があります。
通信制高校は、個別サポートが受けやすく、人間関係で悩みにくいなどのメリットがあります。また年齢制限もないため、社会人の方も入学が可能です。カリキュラムも魅力的で、さまざまな分野を学べます。一方で学習は自習がメインとなるなど、いくつかデメリットもあります。
通信制高校の学費は、公立と私立で異なります。公立の通信制高校は数万円で済むこともある一方、私立は数十万円ほどかかります。しかし、いずれも全日制高校と比べて学費は安く、出費を抑えることが可能です。そのため、経済的な負担を増やさずに高卒資格の取得を目指せます。
通信制高校の卒業難易度は決して高くありません。しかし、最低でも3年間は在籍する必要があります。一方、学習内容についていけなくなったなど、諸事情で卒業が伸びる方もいます。スケジュールを決めるほか、学校のサポートも活用し、効率的に学習することが大切です。
通信制高校と似ている学校として、技能連携校とサポート校があります。技能連携校は、専門的な内容について学べる学校です。通信制高校と同じく高卒資格の取得を目指せます。一方のサポート校は、学習のサポートを主な目的とした学校です。いわゆる予備校や塾に近く、高卒資格は取得できません。
全日制と同じく、通信制高校にも私立と公立があります。私立の通信制高校は、さまざまなカリキュラムを提供しています。中には全国から生徒を受け入れているケースも。一方、公立の通信制高校は自治体が開設しています。公立の通信制高校は入学できる対象者が異なり、範囲を絞り込んでいます。
通信制高校を選ぶ時は、学費や通学スタイルをしっかりチェックしておきましょう。学費は学校によってかなり違いますが、就学支援金が利用できる場合もあります。このほか、入学可能な範囲や、サポート体制も比較したうえで学校を選びましょう。
広域通信制高校は、幅広いエリアから生徒を受け入れています。私立の通信制高校が中心で、中には全国から入学を受け付けている学校もあります。対する狭域通信制高校は、入学可能な範囲が限られます。公立は狭域通信制高校が多く、入学できる地域を特定の自治体または都道府県に限っているケースが目立ちます。
自分の学力を測る目安として多用されている偏差値。しかし、通信制高校は基本的に誰でも入学できるため、偏差値はありません。学力に関わらず、各学校の条件を満たし、かつ学びたいという意思があれば入学できます。全日制高校のように、偏差値に振りまわされる心配はありません。
通信制高校は、入学にあたって入試や面接が実施されます。ところが、通常の学校とは違って「落とす」試験ではなく、本人の人柄や意思を確認することを目的にしています。余程でなければ試験に落ちませんが、学習に対する意欲はしっかりとアピールしましょう。
通信制高校からの就職が不利となることはまずありません。確かに偏見を持つ企業も中にはありますが、就職難易度は全日制高校と同じです。そのため、もし面接で聞かれたとしても隠さず、通信制高校へ通っていたことを正直に伝えましょう。嘘は大きなマイナスポイントになります。
学校が定める条件を満たせば、全日制高校から通信制高校へ転入・編入することも可能です。通信制高校へ転入・編入すると、以前通っていた高校の単位を引き継げます。一から学び直す必要がなく、習熟度に応じた単位が得られます。なお、面接が実施される場合もありますが、あくまで人柄や意欲を確認するためのものです。
全日制高校を中退した場合、通信制高校を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。通信制高校は、全日制高校と同じく高卒資格が取得できるため、進学・就職で有利になります。また、学校によっては専門的な分野も学べますので、将来の選択肢も広がるでしょう。
通信制高校は、卒業するために単位を取得する必要があります。一方で学年という概念がないため、留年そのものが存在しません。1年間に取得する単位数も自分で決められます。ただ、3年間は学校に在籍が必要なほか、卒業のための単位数や特別活動の時間が定められています。
通信制高校は、いじめを経験した方が多数在籍しています。いじめ自体はゼロではないものの、全日制高校に比べて少ないのが実情です。通信制高校で再びいじめ被害に遭うリスクは低く、万が一の時でも講師やカウンセラーによる手厚いフォローやサポートを受けられます。
通信制高校のスクーリングとは、実際に学校へ登校することをいいます。スクーリングは卒業のために不可欠ですが、主にレポートの疑問解消を目的としています。登校日数やタイミングは学校によって異なるものの、全日制高校のように毎日通学する必要はありません。
通信制高校の服装は、学校によって大きく異なるのが実情です。服装自由・私服でOKという学校もあれば、制服を定めている学校もあります。服装が自由な通信制高校は、自分の好きな服で通学できるのが魅力。一方で制服がある通信制高校は、コーディネートを考えずに済むのがメリットです。
通信制高校への進学を検討している場合は、オープンキャンパス・説明会や合同説明会へ行くのがおすすめ。通信制高校自体のシステムを知りたい場合や、志望校を絞り切れていない場合は合同説明会へ、興味のある通信制高校が決まっている場合は説明会・オープンキャンパスへ行ってみましょう。学校関係者や学校の雰囲気を直接体感できるチャンスです。資料やネットの公式サイトだけでは知り得ない情報をゲットすることもできます。
【関連記事】
目的や特徴から選ぶ!
おすすめの通信制高校
・技能連携校
通信制高校は、学校によって力を入れている分野や強みが異なります。
ここでは、学校に求めるサポート体制や通信制高校に入学する目的別でおすすめの通信制高校を紹介しているので、
自分自身やお子さんの個性、希望の進路に合った通信制高校を選びましょう。