通信制高校では、将来の夢や目標を実現するために自分の興味のある分野やより専門的な分野についての知識や技術を習得するチャンスがたくさんあります。3年間の通信制高校を卒業した生徒たちは、学校で学んだ知識や技術を活かしてどんな職業、分野へ就職して活躍しているでしょうか。
ここでは、通信制高校を卒業した後の生徒たちの就職状況について見てみましょう。
総務省が発表した平成29年度の「学校基本調査」では、通信制高校の卒業生のうち大学等への進学率は17.7%、専修学校(専門課程)への進学率は20.3%、そして就職率の割合は19.6%となっています。
就職率を男女別で見てみると、男23%、女16%となっています。数年前までは大学進学率が就職率を約2~3%程度上回っていましたが、平成29年度の発表では就職率が大学進学率を約2%上回るようになっています。
※参照元:e-Stat 政府統計の総合窓口http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001093036&cycleCode=0&requestSender=dsearch
通信制高校の中には大学進学コースを設置している私立高校も多くありますが、現在では専門性を磨いて通信制高校から直接就職を希望する生徒が多くなっていることがうかがえます。
通信制高校側も今まで以上に様々な学科やコースを設ける学校が多く、企業が必要とする技術や知識を身に着けて即戦力として活躍できるだけのスキルが身に付くようになっています。また通信制高校と企業のコネクションが充実してきていることも就職率向上につながっています。
進学か就職か。学校を卒業した後に考えなくてはいけない選択です。しかし、通信制の場合、「全日制と同じように進学できるのか、就職で不利にならないのか?」という不安に悩まされる卒業生もいるようです。
結論からいえば、全日制、定時制、通信制などで進学や就職が有利不利になることはあまりありません。どのような形であり高校を卒業するということは、言ってしまえば「高卒」の資格を有していることで、通信制だからといって「大学や専門学校に進学できなかった」ということはないのです。
ごくまれにですが、面接官が知識不足などで通信制に偏見をもっている場合があります。その時には、きちんと、通信制高校を卒業することは、全日制や定時制を卒業するよりもむずかしいこと。さらにアルバイトなどの仕事をこなしながらそれを成し遂げていること。といった、通信制の卒業生ならではの強みを存分にアピールすれば、逆に進学や就職の成功率が高まる可能性があるでしょう。
卒業後に、就職や進学する際、通信制高校を卒業したからといって履歴書に「通信制高校卒業」と書く必要はありません。ただし、履歴書に通信制と書かなくても、面接の際に聞かれることはあります。その場合は、素直に事実を伝えることが大切です。どんな場合でも、嘘をつく方が印象を悪くすることになります。
面接の際に質問されること想定して、通信制高校を選んだ理由や、取り組んできたことなど、自分の言葉で答えられるようにしておくとよいでしょう。
総務省が発表した平成29年度「高等学校(通信制)卒業者の職業分類別就職者数」によると、就職者数10,263人の約30%にのぼる3,268人が「サービス職業従事者」として報告されています。その次に多かったのは「生産工程従事者」の2.050人でした。サービス業の中でも特に多いのは「宿泊業、飲食サービス業」に就職した1,496人でした。
通信制高校でも専門分野として調理科などを設置している学校が多くなっています。こうしたコースで学ぶことで、卒業後には習得した知識や技術を実践で活かすことができます。
また「医療・福祉」の分野で就職している人は864人にのぼります。これからも高齢化社会が進む日本にとっては需要拡大が見込まれる業界です。
※参照元:e-Stat 政府統計の総合窓口http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001093036&cycleCode=0&requestSender=dsearch
通信制高校でも就職先として多いのは一般的な企業よりも、学んだ専門性を活かした業界であることが分かります。
通信制高校から進学ではなく、就職することを考えている場合には高校卒業資格を取得することだけではなく、加えて専門コースを選択することが必要です。通信制高校の専門コースでは実際の現場で活躍している講師から学べる機会もあるため、非常に充実した内容を学べます。
数年前までは、通信制高校を卒業後に就職を目指すのは難しいとされていました。しかし最近では通信制高校で専門的な分野を学び、関連した資格を在籍期間中に取得することで就職を有利に進めることができるようになっています。
通信制高校でも全日制高校と同じように必須科目を学習して高校卒業資格を取得します。その他に生徒がそれぞれ選ぶコースによって、専門的な内容を学び、卒業後に就職しても活躍するために必要な技術、知識を身に着けることができます。こうしたポイントに注目すると、全日制高校の普通科よりも秀でている分野があるという面では就職に有利になるといえます。
通信制高校を卒業後に就職することを視野にいれているのであれば、専門分野を学べる学校を選ぶようにしましょう。私立高校であれば、学費や教材費が高くなる傾向もありますが、それに見合った知識、技術、サポートを受けることができます。
調理師、美容師、IT関連のコースを設けている通信制高校は就職率も高い傾向があります。またこれからの社会的ニーズを考えると、看護や介護系、保育などの分野を学べる学校も就職に強いと考えられます。ぜひ高校卒業資格と併せて就職に有利になる資格取得を目指しましょう。
就職するためには、書類選考や面接試験、中には筆記試験を設けている会社も少なくありません。事前の準備が大切です。
就職活動の準備を進める際に、これまでの豊富なノウハウを蓄えている通信制高校であれば、信頼できるサポートを期待できます。自分の希望する仕事をするためにはどんな会社を選んだらいいのか、履歴書を書く時には何に気を付けたらいいのか、面接試験ではどんな言葉遣いをしたらいいのか…。ホームページや資料に掲載されている就職実績や、就職サポートの内容などを詳しく知るようにしましょう。
また通信制高校であっても就職サポートの一環として、担任制を採用している学校の方が就職に強い傾向も見られます。担任が卒業までしっかりと指導してくれるため、何もフォローされずに結局就職のために何をしたらいいのかわからないという状況を避けられます。
担任教師がいることで生徒のコミュニケーション能力も向上するメリットがあります。人間関係に自信を持てない生徒であっても通信制高校で丁寧なサポートを受けることで、上手に人間関係を築けるようになります。
通信制高校で卒業資格を取得することは、全日制の高校で卒業資格を取得することと同じ価値を持ちます。つまり「高卒」というくくりになります。
一般企業では「高卒」を応募条件としているケースがほとんどです。例え不登校などで高校を中途退学してしまったとしても、編入して通信制高校を卒業することはその後社会人として活躍するためにとても大切になります。
またこの数年で企業の通信制高校に対する見方や評価も変化しています。数年前までは「中退、不登校の生徒が通う高校」というイメージが強かったものの、全日制高校にはない専門性を活かした教育を受けることができ、職種によっては即戦力として活躍することもできます。
その理由としては、私立の通信制高校の場合は、学校生活において、卒業後の就職や進学を見据えたカリキュラムを選べるからです。一般的な科目や美容やIT系など専門的な分野の科目も充実。
また、メンタル面を含めた個別のサポート体制がしっかりしており、サポート校や姉妹校などでより楽しく学べることも大きな理由です。私立の通信制高校の中には、社会に出た時に挫折しないように、学生のころからソーシャルスキルトレーニング(社会トレーニング)を行っている学校もあります。
自分の得意分野を見つけやすい環境にあり、得意分野を見つけて夢に向かってサポートを受けながら学んでいけるので、途中で挫折することが少ないのだそう。その為、私立の通信制高校の卒業率がよく、卒業後の進路が決定している生徒が多いようです。
目的や特徴から選ぶ!
おすすめの通信制高校
・技能連携校
通信制高校は、学校によって力を入れている分野や強みが異なります。
ここでは、学校に求めるサポート体制や通信制高校に入学する目的別でおすすめの通信制高校を紹介しているので、
自分自身やお子さんの個性、希望の進路に合った通信制高校を選びましょう。