高卒資格と高卒認定は混同されがちですが、それぞれの持つ意味は異なります。高校を卒業することで得られる資格が「高卒資格」、高校卒業と同等の学力を認定するのが「高卒認定」です。ここでは高卒資格と高卒認定のメリットや、取得までに必要な期間や費用などを紹介します。
高卒資格を得るメリットとして、同じ高校に通う仲間との交流から得る多くの体験や、コミュニケーションスキルが自然と身につくことがあげられます。学習面では、先生方から直接指導を受けられる安心感が大きな点と言えます。
中学卒業と高校卒業とでは、業種によって最終学歴から条件に違いが生じることも。高卒資格を取得することは職業の選択肢を増やし、将来の可能性を広げることにつながるのではないでしょうか。
高卒認定は、高校卒業と同程度の学力を認定するもの。「高等学校卒業程度認定試験」に合格することで、大学や専門学校の受験資格が得られます。進学する以外にも、就職や国家資格試験のために利用する場合もあるでしょう。
高卒認定は、高校に通わず主に自主学習で受験に備えることになります。費用は自分で揃える教材と受験料だけなので、経済的な負担が軽く済むのは大きな特徴と言えるでしょう。
短期間でも取得できる可能性があり、大学受験や就職試験に合わせて資格を得たい方に向いています。コミュニケーションの苦手な方が、自分のペースで受験勉強をすすめられるメリットもありますが、同時に自身の強い意志と意欲が求められます。
高卒資格が「高卒(高校を卒業した)」に対し、高卒認定は「中卒(中学校を卒業した)」が最終学歴。あくまで資格なので、履歴書の資格欄には「〇〇年〇月、高等学校卒業程度認定試験合格」という記載になります。
さまざまな事情から高校に入学できなかった、卒業ができなかった人が、大学や専門学校などの受験資格を得るための試験が高卒認定。進学・卒業すれば、高卒資格・高卒認定どちらも最終学歴に違いはなくなります。
高卒資格を取得するためには、3年間の在籍期間と74単位以上の取得が必須条件。高卒認定は、早ければ1回の試験で全科目を合格することが可能です。高卒認定試験は年度内2回実施されており、合計8~10科目合格で資格取得となります。
学校に通わなくても、学習期間が短くても、試験に合格すれば認定を得られます。つまり、受験資格の取得だけを目的とした場合、高卒資格にくらべ効率的と言えるでしょう。
高卒資格にかかる費用は、在籍する高校によって異なります。全日制・定時制・通信制に限らず、就学支援金対象なので、世帯収入による学費の免除が受けられることも。高卒認定の場合、「高等学校卒業程度認定試験」にかかる受験料は8,500円~。
試験科目数によって受験料が違います。受験準備として、問題集や過去問の購入が必要になり、予備校や専門学校・塾に通学すると費用が別にかかることを意識しておきましょう。
高卒資格と高卒認定は言葉がよく似ていますが、意味は全く違うという事がおわかりいただけたかと思います。高卒資格は(通信制・定時制を含め)高校に通い卒業すること。高卒認定は、高校卒業と同等の学力を認められた資格。
取得方法や証明する内容の違いをしっかり理解し、自分に必要なのは高卒資格・高卒認定のどちらなのか判断することが重要。そのためには、特性や事情に合った学習環境を見極め、将来を見据えた選択をすることが望ましいのではないでしょうか。
★通信制高校が気になっている方へのおすすめ記事★「通信制高校の学費はどのくらいかかる?」
目的や特徴から選ぶ!
おすすめの通信制高校
・技能連携校
通信制高校は、学校によって力を入れている分野や強みが異なります。
ここでは、学校に求めるサポート体制や通信制高校に入学する目的別でおすすめの通信制高校を紹介しているので、
自分自身やお子さんの個性、希望の進路に合った通信制高校を選びましょう。