発達障害を持つ多くの生徒は、周囲の生徒と同じように行動できなかったり、通学が困難だったり…という問題がついて回ります。そうした特徴的な行動に対して周囲の理解も得られ、学校側もそれに合わせた対応をしてくれるのであれば問題はありませんが、多くの場合は周囲に気づいてもらえないことが多いようです。
一見すると、障害がないように見えてしまい、家族でさえも気づかないといったことも…。結果、全日制の学校に通っても孤立したり、クラスメイトに馴染めず不登校になってしまい、卒業が難しくなる場合もあります。そうした悩みを抱える生徒にぜひ知ってほしいのが、サポート体制を整えた通信制高校です。
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発達障害のある生徒やその疑いのある生徒には、その特徴や個性を十分に理解した上で、しっかりとサポートしてくれる学校が必要になります。たとえば「アスペルガー症候群」は、相手に対する想像力に障害があって、対人関係がうまくいきづらい障害だと言われています。
「自閉症」も、コミュニケーションがうまくとれなかったり、行動や興味に偏りが出てしまったりする障害とされています。
発達障害を持つ、またはその疑いがある生徒に向けて、学習に無理なく取り組めるようにサポート体制を整えた通信制高校の選び方について紹介します。
発達障害の生徒が、通信制高校選ぶ場合に確認しておきたいポイントを紹介します。
通信制高校では、自宅学習でもスクーリングでも、個人の学習レベルに合わせた指導をしている学校が多くあります。学習の進め方や理解度についても細やかにサポートしてくれるので、生徒にとっても、学習に対するモチベーションの維持につながります。全日制の高校で、周囲と同じペースで学習することが苦手な生徒にとっても、学習意欲がわきやすい環境です。
発達障害が原因で孤立したりいじめを受けたりした経験から、心に傷を抱えてしまう生徒も少なからずいます。そうした生徒には、とくに発達障害へのサポート体制を整えている学校を選ぶことをおすすめします。
心理士の資格やカウンセラーの資格を持った教員が常勤する高校や、心理士やカウンセラーを置く学校もあります。ただ、専門資格を持った教員や心理士が常勤している学校とそうでない学校もあるので、事前によく調べておくことも大切です。
発達障害を持つ生徒の顕著な特徴として、記憶力に秀でていたり、一つのことに集中する能力に長けていたり、といった才能を持ち合わせていることがあります。こうした才能を開花させるために、さまざまな専門課程を用意している通信制高校もあります。
障害を持っているからといって自立できないことは決してありません。専門的な知識や技能を身につけることで、資格取得や将来の仕事につなげられる可能性も大いにあるのです。専門課程の授業も単位制になるので、興味のある授業を受けることで、無理なく単位を取得できます。
サポート体制の充実度については、実際に気になる学校に出向いて、教師や生徒に生の声を聴くのが一番です。オープンキャンパスなどに参加して、積極的に情報をもらいましょう。
学校が遠方で参加が難しいという場合は、希望の学校の公式サイトからメールで問い合わせたり、直接学校に電話連絡してみるのもおすすめです。オープンキャンパスに参加することで、実際に通った時のイメージもつきやすいし、どんな生徒が通っているのかも確認できるので、自分が通えそうか判断するためにも気になった学校があったら参加してみましょう!
「私の息子は軽度の自閉症です。音やざわついた声などを中学時代から特に異様に嫌がるようになり、それが叫ぶ、暴れるなどの問題行動を引き起こして、周りにも多大な迷惑をかけてしまうという状態でした。
興学社さんは息子のような子も受け入れてくれると知って選びましたが、それが正解だったと思っています。先生や仲間に恵まれた環境が良かったのか、息子の状態はどんどん改善されていきました。
音や声にだんだん慣れてきて問題行動を起こす頻度も少なくなり、入学時は真っ白だったテストの答案用紙も、卒業するころにはびっしりと回答で埋まっている状態になるほどに成長したのです。
中学時代の頃からは考えられない息子の姿を見ることができて、興学社さんには感謝の気持ちでいっぱいです。」
「集団の中では極度に緊張してしまう我が子は、小学生の頃から先生に終段行動の苦手さについて苦言を呈されていました。中学時代の塾の先生の指導が幸いにもすぐれており、私立高校へ入学できたのですが、ここでもまた、集団生活が合わずに退学することになりました。
そんな時、知人が中央高等学院のことを教えてくれて、説明を聞きに行きました。そこで感じたことは「この学校なら大丈夫かもしれない」ということでした。集団生活・集団行動のための協調性を教えるだけでなく、子の個性も尊重してくれる教育のバランスが良かったと思います。
今では、一度は完全にあきらめていた大学進学へのチャレンジにも大いに可能性が出てきました。中央高等学院は子どもの可能性を引き出して道を広げてくれる、そんな学校だと思っています。」
「何とか高校卒業だけはさせたいと思い、息子を温かく迎えてくれた第一学院高等学校を選びました。しかしこれまでの問題を考えると、本当に大丈夫なのか、ここでもダメなんじゃないかと不安に感じる部分もあったのは事実です。
しかし、先生方や仲間のサポートは、私たちが期待している以上のものでした。何より驚いたのは、入学から約1年で、バンド演奏に加わるまで皆に溶け込めるようになったことです。
演奏自体が初心者でしたし、そんなことができるようになるとは思ってもいませんでした。そして、その演奏の成功をきっかけに、息子は一段と成長したと感じています。
入学時はあれほど不安だったのに、今はもう、息子は大丈夫だと心から思えるのも、第一学院高等学校の皆さんのおかげです。ありがとうございました。」
発達障害は症状の程度によりますが、通常の授業を受けるのが困難になることがあります。そのため、全日制高校への進学をあきらめてしまうことも。しかし、通信高校なら無理なく入学して、卒業することが可能です。 ここでは、大阪・愛知・福岡の都市別で発達障害の生徒におすすめの通信制高校を4校ご紹介。それぞれの通信制高校の特徴やアクセスなどをまとめているので、参考にしてください。
引用元:しんあい高等学院(http://www.shinai-snec.jp/)
しんあい高等学院は、発達障害の生徒の受け入れに特化している通信制高校です。入学の際は心理検査を実施し、生徒と保護者と面談を行います。その内容を踏まえて、障害特性や認知特性、学習特性などを見極めて授業のカリキュラムを作成。入学する前から生徒一人ひとりの特性をチェックして、万全な体制で受け入れをしてもらえるので安心です。
そのほか、しんあい高等学院では「SNEC(スペシャルニーズ・エデュケーションセンター)」サポートシステムを採用。専門職員が入学前の検査結果をもとに、個別のニーズに合わせて支援・指導計画を作成。学習面を中心に人との関わり方や身辺自立など、将来を見据えた訓練を含めてサポートしてもらえます。
進級する際の試験は点数評価だけではなく、それぞれの生徒に合わせて提出課題を作ることで学習の定着ができるようにしているのも特徴のひとつです。通学は年に4回のスクーリングのみ。サポート校への通学か自宅学習を選ぶことができます。個性を活かせるような教育を目指しているので、伸び伸びと勉強に取り組めるのが魅力です。
所在地 | 大阪府大阪市東成区東小橋1-11-2 1F |
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アクセス | JR玉造駅より徒歩3分 |
引用元:あおい高等学校(http://hello-aoi.com/)
あおい高等学校では、発達障害や自閉症を持つ生徒の学習と就労支援を行う専門のクラスを設置。スタッフは発達障害に関する研修を受けているため、生徒一人ひとりの特性に合わせてサポートしてくれます。
入学後1年は課外学習や遊びを通じ、信頼関係を構築。2年目は、卒業後の進路に向けたプログラムと生活面へのプログラムを個別に作成。3年目は進路研究を行って、生徒一人ひとりの就労支援や進路支援を行います。
また状況に合わせたスケジュール作成をしてもらえるのも、あおい高等学校の魅力のひとつ。「週1回から登校を始めたい」「午後から登校したい」「余暇を過ごすのが苦手」など、さまざまなニーズに応えてスケジュールを作成することができます。
希望者に対しては入学前のフォローを実施。入学後の不安を軽減してもらえます。スタッフは生徒や保護者と気軽に連絡が取れる関係づくりを行っているため、何かあればすぐに相談することが可能です。
所在地 | 大阪府枚方市岡山手町11-110 |
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アクセス | 京阪本線枚方公園駅より徒歩10分 |
引用元:名古屋敬進高等学院(http://nagoya-keishin.jp/)
名古屋敬進高等学院は発達障害や自閉症、アスペルガーなどを持っている人の専門・通信制高校サポート校です。個人の特性を見極めた支援教育を行っており、生徒一人ひとりのニーズに合った支援・指導計画を作成。学習面を中心に、報告連絡相談質問スキルや交友関係の構築できるように支援を行っています。
授業は一斉授業の代わりに、ネット授業を視聴してレポートに取り組むシステムです。そのため、自分に合ったペースで学習できます。成績評価は定期テストではなく、履修科目ごとの「学習成果物」で行わるのも名古屋敬進高等学院の特徴のひとつです。
決められた通学な苦手な生徒や外出移動が困難な生徒に対しては、ネット(相談登校)コースを用意。登校のペースを家族と話し合って決めることが可能です。時間をかけて、徐々に集団に参加できる方法を職員が一緒に考えてくれます。インターネット授業は体験できるので、興味がある人は試してみてはいかがでしょうか。
所在地 | 愛知県名古屋市天白区塩釜口1-825-1 |
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アクセス | 地下鉄鶴舞線塩釜口駅より徒歩5分 |
引用元:明誠高校久留米SHIP(http://www.meisei-highschool.com/wp/)
明誠高等学校広域通信制課程久留米SHIPは目的や目標に合わせて学習内容を組み合わせることができるので、発達障害を持っていたとしても安心して通うことができます。
コースは全日制と同じように週5日登校する「ウィークデイ」、仕事やアルバイトと高校生活を両立させる「自由登校」、登校することに不安を抱えている生徒向けの「在宅学習」の3つのコースから選択できるのが特徴です。
明誠高等学校広域通信制課程久留米SHIPは1回の学習範囲を狭くしているため、ゆっくり学習することが可能。自分のペースで理解し、学力を身につけることができます。
またNPO法人青少年教育支援センター運営を行っている、小・中学生を対象とした久留米フリースクールが併設されているのも特徴のひとつ。中高一貫校のように中学から通い、明誠高等学校広域通信制課程久留米SHIP に進学することができます。
慣れ親しんだ先生たちと継続的に関わりが持てるのは大きなメリットといえるでしょう。新入学・転入学・編入学は時期に関係なくいつでも出願できます。
所在地 | 福岡県久留米市六ツ門町19-6 |
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アクセス | 天神大牟田線西鉄久留米駅より徒歩9分 |
ここでは、大阪・福岡・愛知以外にあるおすすめの通信制高校をご紹介。通信高校によってサポート体制が異なるので、それぞれの特徴をチェックしてください。
引用元:明蓬館高校(http://www.at-mhk.com/)
明蓬館高校は2013年に「SNEC(スペシャルニーズ・エデュケーションセンター)」という、特別支援教育コースを設置。発達障害の支援スキルを持った職員と心理士が常駐しており、発達に課題を抱えている生徒が普通高校教育を受けられるようにサポートを行っています。
授業は一斉授業に参加するのではなく、パソコンやタブレットなどを使用してネット授業を受けるのが特徴。そのため、生徒の特性に合わせて学習ができます。成績評価は定期テストを行うのではなく、履修科目ごとに作成したポートフォリオ評価を実施。生徒が自分の学力を証明できる手段を考えることで、主体的に学習へ取り組むことが可能です。
また、通学するペースは自分で自由に決められるのも魅力のひとつ。担任や支援員と相談して、時間割の計画を立ててもらえます。集団で授業を受ける生徒のためには、ひとりで学習できる個室スペースを設置。周りの目を気にすることなく、無理せず登校できます。一人ひとりの特性を見極めたうえで卒業までサポートしてもらえるので安心です。
所在地 | 東京都品川区北品川5-12-4 山泉ビル 3F |
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アクセス | JR大崎駅より徒歩12分 |
引用元:鹿島学園高等学校(http://www.kg-school.net/)
全国に130ヶ所以上の拠点を持っている鹿島学園高等学校。その中にある「レッグキャンパス」は、発達障害を持っている生徒をサポートしているキャンパスです。担任は発達障害の知識を持った専門家が担当。信頼関係を築きながら対人関係や学習への不安などを解消させ、閉ざしていた心を無理なくオープンに。
自宅での学習ではなく、教室で学習ができる状態へと導いてくれます。学習面では一人ひとりに合った指導法でフォローをしているので、長い間学校へ通えない時期があったとしても、学力の遅れを取り戻すことが可能です。
レッグサポートキャンパス内には学習塾や予備校、フリースクールなどが併設されているのも魅力です。プロの指導のもと、大学進学をサポートしてもらえます。
他の高校で取得した単位も引き継ぐことができるので、安心して編入できます。学費は住んでいるエリアや選択するコースによって異なるので、興味があれば問い合わせてみてはいかがでしょうか。
所在地 | 茨城県鹿嶋市田野辺141-9 |
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アクセス | JR鹿島神宮駅より車で10分 |
引用元:KTC中央高等学院(http://www.ktc-school.com/)
KTC中央高等学院では、個性があって可能性のある軽度の発達障害を持っている子どもたちのことを「ST(スペシャルタレント)」と呼んでいます。全ての子どもたちを肯定的に受け止め、こどものたちの個性や内なる資源を可能な限り尊重するためです。
子どもたちにとって寄り添える場所でありたいという想いから、KTC中央高等学院のスタッフはカウンセリングの訓練を受けています。さまざまなシーンで、心理的側面を理解しながらアドバイスをもらえるのが魅力です。中には「家族支援カウンセラー」の資格を持っているスタッフがいるので、保護者の相談にものってもらえます。
通学は週5日登校する「ウィークデーコース」、週2日登校する「ツーデイコース」、週1日登校する「ワンデイコース」の3つから選択することが可能です。相性の合う先生を自分で決める「マイティーチャー制」を採用しているので、学校に楽しく通えるメリットも。選んだ先生が合わなかった場合は、面談をしたうえで変更することができます。
所在地 | 東京都新宿区西新宿8-13-6 |
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アクセス | 丸の内線新宿駅より徒歩4分 |
引用元:星槎国際高等学校(http://www.seisa.ed.jp/)
1999年に開校された星槎国際高等学校は北海道芦別市に本部を構えており、全国各地に学習センターを配置している広域通信制高校です。高卒認定資格の取得・不登校・特別支援・自立支援・留学・転編入などさまざまなニーズに対応しています。
全日型登校・選択登校制・土曜コース・イブニングコース・オンラインコースの5つから登校スタイルを選ぶことが可能。全日型登校~イブニングコースまでは学校に通う必要がありますが、オンラインコースであれば基本的に自宅でのレポート作成・添削指導となります。
対面での授業が困難な生徒や発達障害といった周りと合わせて授業を受けることが難しい生徒でも無理なく受けられるのが魅力です。スタッフの多くが臨床心理士の資格を持っており、生徒一人ひとりの心の状態に合わせて指導を行ってくれます。
勉強のフォローはもちろん、人間関係を構築するためのスキルを向上させることも得意としている学校です。プレスクールへは中学生でも参加できるため、学校の雰囲気や自分に合う学校か確認のために問い合わせてみてはいかがでしょうか。
所在地 | 北海道芦別市北7条西5-2-13 |
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アクセス | 根室本線芦別駅より車で4分 |
引用元:蓬洋舎(http://www.geocities.jp/houyousha/index.html)
蓬洋舎は2009年に開校した、少人数制クラスで対応する通信制サポート校です。ADHD(行動欠陥多動性障害)やLD(学習障害)などを抱える生徒を受け入れています。
スタッフのほとんどは臨床心理士や認定カウンセラーの資格をもっており、ABA(応用行動分析)と呼ばれる専門的な知識を活かして生徒をサポート。ABAをもとに行動の背景を理解したうえで、生徒にあった学習方法を提案してくれます。
コースは高校課程・プレコース・アドバンスコースの3つを用意。おもな授業の流れとしては午前中に個別学習を行ない、午後は集団学習時間に充てています。
蓬洋舎は通常の学習だけでなく「こころの育成プログラム」も充実。人と上手に付き合うコツを学ぶソーシャルスキルトレーニング、社会で必要な知識やヒントをものづくりやレクリエーションで学ぶ体験学習などを実施しています。生徒の悩みだけでなく、保護者や支援者の悩み相談に乗ってくれるメンタルサポートカウンセリングも魅力です。
所在地 | 東京都板橋区成増2-25-3 グレースランド101 |
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アクセス | 東武東上線成増駅より徒歩5分 |
発達障害を持っている生徒でも、障害のある部分に周囲が手を差し伸べれば、問題なく日常生活を送ることができます。それは学習の場でも言えることです。それぞれの生徒の状態に合わせたサポートを行うことで、高校へ進学することも、就職することも可能です。
発達障害とひと口にいっても、自閉症や学習障害、運動障害、コミュニケーション障害など、その種類は様々です。その特徴の出かたも人によって異なるので、本人ばかりか家族や周りの人が気づかないことも多くあります。
「他の子ができることを、自分の子はできない」「小学校の高学年になっても、よその子と比べてなんとなく落ち着きがない」など、その兆候は掴んでいても「親として受け入れたくない」という気持ちからそのままにしてしまうこともあります。ですが、そうした状況を放置していては事態は悪化するばかりです。コンプレックスを抱えたり、いじめを受けるなどして、不登校やうつといった二次障害に発展してしまうこともあるのです。
発達障害の原因は脳機能の障害であることは分かっています。しかし、なぜ起こってしまうのかははっきりと解明されていません。主に、広汎性発達障害・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害の3種類に分類され、自閉症やアスペルガー症候群は広汎性発達障害に含まれます。人によって現れ方は異なりますが、それぞれ以下のような特徴があります。
アスペルガー症候群や自閉症などを含む発達障害の種類です。行動にパターン化が見られることや、対人関係、コミュニケーション、社会性の面での障害があります。記憶力が優れている場合もあります。
知的な発達には支障がないため、周囲の人はなかなか気づきにくい発達障害です。聞く、読む、書く、計算するといった能力のうちのいくつかに困難があり、学校で周囲の生徒と同じように学ぶことが難しいことも多くあります。
じっとしていることができない、集中力が続かない、考える前に実行してしまうなどの特徴があります。小学校高学年になっても落ち着きが見られない場合は、AD/HDの可能性も考えられます。
障害かどうか確定ができない場合、診断結果を「グレーゾーン」として括られることもあります。これは発達障害の診断基準を満たしていない状態です。診断基準に明確な定義はありませんが、基準を満たしていなくても発達障害の特徴をいくつか持っていて、生活を送る上で困難がある場合にグレーゾーンとされることが多いようです。小さい頃にグレーゾーンと言われていた子が年齢を重ね、再度受診して診断がつくこともあり、全く気づかれないことも多くあります。
発達障害の症状や現れ方は個人によっても様々で、体調や環境によっても左右されます。ある場所では症状が強く、別の場所では比較的に症状が弱くなるといったこともあります。周囲に気づいてももらえない期間が長く続いてしまうと、症状が強くなり、発達障害の診断域に入ってしまうことも…。こうした子供の近くに、発達障害に対する理解や知識を持った大人がいればよいのですが、現実はそうとも限りません。
「周囲と同じように行動できない生徒は、特別支援学級や特別支援学校へ入れなければ」と考えてしまいがちな大人は多く、親に限らず学校の先生であってもそうした知識しか持ち合わせていないこともあるようです。こうして、本人が納得できないままレベルの合わない教育を受け続けたり、適切な対応が受けられないことで、不登校やうつなど、二次障害を引き起こしてしまう場合も多いのです。
このような二次障害を予防することは、発達障害の症状の悪化や長期化を防ぐことにもつながります。いちはやく気づくことができれば、社会にうまく適応できる可能性も大いに高くなります。
発達障害を持つ子供やグレーゾーンの子供が成長して社会に適応し、自立した生活を送れるようになるか否かは、周囲の大人の理解や関心の持ち方によって変わってきます。また、教育を受ける環境を誤ればその個性や特技を見いだせず、成長の芽を摘み取ってしまうことにもなりかねません。そんな事態を防ぐためにも、発達障害へのサポート体制を整えた学校選びが大切になってきます。
>>発達障害児へのサポート体制が充実している通信制高校をチェックする
以下のページでは、発達障害を持つ生徒の進路決定に役立つ情報を、4つの項目に分けて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
発達障害にはいくつかの種類があります。注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、広汎性発達障害、知的障害などで、いずれも脳の機能障害にあたるものです。発達障害にはいくつかの行動パターンがあるなど、特徴もあります。そうした特徴から判断できればよいですが、実際には発達障害とはわかりにくいこともあるため、見過ごされてしまうことも少なくありません。こうした状態を、発達障害のグレーゾーンと括って語られることもあります。
発達障害と不登校には関連性があります。福島大学総合教育研究センター教育相談部門の調査(発達障害が疑われる不登校児童生徒の実態―福島県における調査から)によると、不登校になった子供の中に、10%前後の割合で発達障害を持った子供もいることが明らかとなっています。発達障害があることで、周囲の人や環境になじめなかったり、コミュニケーションをうまく図ることができずに相手との関係をうまく築けない、といったことが原因のようです。
特別支援学級は、障害を持っているなど、教育を受ける上で特別な支援を必要とする児童や生徒のために、小中学校に設置されている学級です。小中学校の指導の内容に沿って教育するため、中学卒業の資格は得られますが、その後、きちんとした進学先を選ばなければ高校卒業資格は得られず、将来の生活も左右されてしまいます。高卒資格を取得するなら普通高校に進学することが近道ですが、発達障害を持つ生徒の場合は、入学や通学が難しいのも現状です。
≫特別支援学級から普通高校への進学が可能か知りたい人はコチラ
発達障害のある生徒の進学先として、特別支援学校の高等部を勧められてしまうことも多くありますが、ここを卒業しても残念ながら、高卒資格は得られません。高卒資格が得られなければ就職先の選択範囲も狭められてしまいます。本人には人並に働ける能力が備わっているのに、資格がないために十分な収入を得られる仕事に就けず、親元からいつまでも自立できない、ということにもなりかねません。そうしたことを防ぐためにも、高校卒業資格を取得することは大切なのです。でも、特別支援学校に一度入ってしまったら、その先の将来は決まってしまうのでは?と思う方は、ぜひこちらのページも参考にしてみてください。
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