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境界知能のお子さんの高校の選び方

軽度な知的障がいと平均知能指数とのはざまに位置する、境界知能のお子さんは、病気でも障がい者という位置づけでないものの、学習の遅れや集団行動が苦手などの特性を持っています。そういったお子さんの高校選びについて紹介していきます。

境界知能とは?

「境界知能」とは

境界知能とは、一般的にIQ(知能指数)が70以上85未満の領域にいる方を指します。また、境界知能という言葉は診断名ではなく“通称“として使われており、病気や障がいとは位置づけられていません。ちなみに通常値のIQ90~110の範囲で、軽度の知的障がいはIQ50~69の範囲とされています。

ウェクスラー式の知能指数では、境界知能は日本人の約14%(7人に1人)が分布しているというデータ(※)があり、境界知能の方は知能指数の平均値である、健常者と軽度の知的障がいの方のはざまに位置しています。

境界知能の領域の方は、整理整頓が苦手などの特性はあるものの、日常生活はある程度普通にできるため、周囲からはわかりにくい面があります。ただし、言語や数字の記憶が苦手なため、学習が難しくなる中学生くらいから勉強の遅れが目立ち始め、本人は頑張っていても、周りからは「努力が足りない」「集中していない」などのレッテルを貼られがちで、苦しい思いをしていることが多いようです。

※参照元URL:Senwisdoms医療と育児と心理学(https://sengakuhisai.com/iq-bunpu/)

発達障がいのグレーゾーンとの違いは?

まず、発達障がいの診断は精神科や心療内科など、発達障がいを専門にする医師が患者から困っている事柄やその程度、子供の頃からの様子などを本人と家族から聞き取り、時には発達検査・知能検査・人格検査といった検査を行って、「注意欠陥多動性障がい(ADHD)」「自閉スペクトラム症(ASD)」「学習障がい(LD)」などの特性を診断します。その中で、発達障がいのグレーゾーンの方は、これらの特性がいくつか見られるものの、その影響は日常生活の一部に影響が出ている程度で、発達障がいとは明確に診断できない状態の方を示します。

そして、境界知能の場合は、一般的にIQ(知能指数)検査で70以上85未満の領域にある方を指すため診断方法や特性が異なります。

境界知能のお子さんの困りごと

学習面での困難

境界知能にあるお子さんは、言葉や数字などの理解が困難であることが多いです。学校で習う難易度が上がるにつれ、その傾向は大きくなります。たとえば、小学生の間であれば、漢字の練習をするときに枠内に収まらない、“へん”や“かんむり”などの構成がバラバラである、教科書の読み飛ばしが多い、算数の桁数が多くなると計算できないなどで、テストで点数が取れずに悩んでしまうこともあります。

対人関係での困難

境界知能の領域であるお子さんは、対人関係を築くのが苦手なことが多いようです。平均領域のIQのお子さんとの会話スピードについていけない、相手の言った意味(本意)をつかむのが苦手、学校での集団生活のルールに馴染めない、自分の気持ちを表現するのが苦手などの理由からです。

指示の理解、柔軟な対応が難しいなど、社会生活における困難

境界知能のお子さんは、身だしなみや整理整頓、時間の管理、電車の乗り換えなどが苦手である場合が多く、周囲の人から「だらしない」「約束した時間を守れない人」というレッテルを貼られがちです。

また、相手の出した指示を理解したり、物事を多角的視点で捉えたりすることが苦手なため、柔軟な対応が必要な状況で上手く立ち回れない、といった困りごともあります。

境界知能のお子さんへの接し方

何が苦手なのかを把握する

保護者や教員などが境界知能のお子さんに接する時、本人が何が苦手でどんなことに困っているのかを深く理解することが大切です。そのためにも、専門の医師に診断してもらい、お子さんにはどのようなサポートが必要なのか現状を把握し、お子さんには「自分たちは味方である」と伝えるようにしてください。

時間をかけて何度も教える

境界知能のお子さんの場合、本人が頑張って覚えようとしても、理解することや記憶することなどが苦手なために、他のお子さんよりも学習に時間がかかってしまいます。それでも、時間をかけて何度も繰り返せばゆっくりと習得できるケースが多いとされています。

境界知能のお子さんの学習をサポートする場合は、一度に複数の指示を出すのではなく、ひとつクリアしたら次の指示を出すようにしましょう。漢字にはフリガナをふったり、画像や絵など視覚的な情報をあたえると覚えやすいようです。

年齢の低いうちから適切な教育サポートを行えば、中学卒業後の進学先の幅が広がる可能性が高まります。

相談しやすい環境づくりを

境界知能は病気ではありませんし、障がい者という枠組みでもないため、周囲だけでなく本人も自覚していないケースが多く存在します。頑張って学習や日常生活を送ろうとしても、その努力が中々実らずに周りから誤解され続けると、自信喪失や鬱などの二次症状につながることもあります。

そのため、お子さんの行動や学習状況に違和感を感じたら、本人を交えて専門家に相談しましょう。状況や傾向を見極めることで、お子さん本人も自身の状態を理解でき、学習を支援する環境作りを一歩進めることができます。

中学卒業後の進学先も、境界知能という特性を理解したうえで、学校の受け入れ態勢を調査し、本人と相談しながら決めていきましょう。

高校選びのポイント

通常の公立・私立高校

境界知能の生徒が公立・私立高校を選ぶ際には、学習支援の充実度が重要です。一部の学校では、特別支援教育コーディネーターが在籍し、必要なサポートを提供している場合があります。また、通級指導を活用できる学校もあり、個別の支援を受けながら学習を進められます。ただし、通常の学習カリキュラムに適応する必要があるため、学習のペースやサポート体制を事前に確認することが大切です。

通信制高校

通信制高校は、自宅で学習を進められるスタイルの学校です。登校日が少なく、自分のペースで勉強ができるため、境界知能の生徒にとって学びやすい環境といえます。課題の提出やレポート学習が中心ですが、スクーリング(対面授業)や個別サポートがある学校もあります。サポート校と連携している通信制高校なら、対面での学習支援を受けることも可能です。学校ごとに支援体制が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

通信制高校を卒業するためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

要件1:3年以上在籍すること

通信制高校は、学校教育法により「3年以上在籍すること」が卒業の必須条件とされています。多くの通信制高校では単位制を採用しており、1年間で修得できる単位数には上限があります。そのため、仮に1・2年次で多くの単位を取得したとしても、3年間在籍しなければ卒業することはできません。

要件2:74単位以上を修得すること

卒業までに、必履修科目を含めて74単位以上を修得する必要があります。単位は「自主学習 → レポート提出 → スクーリング → テスト」の流れで取得します。まず、教材を使って自主学習を行い、レポートを作成・提出。添削後に復習を行い、登校日に教師の指導を受けるスクーリングに参加します。最後に、学科ごとの試験に合格することで単位が認定されます。

要件3:30単位以上の特別活動に参加すること

通信制高校では、ホームルームや文化祭、清掃活動、体験学習、校外学習など、30単位以上の「特別活動」への参加も卒業要件に含まれます。これらの活動はスクーリングと併せて実施されることが多く、学校によって内容が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

高等専修学校

高等専修学校は、中学校卒業者を対象に実践的な職業教育を行う後期中等教育機関です。通学期間は1~3年で、3年間学ぶと高等学校卒業資格を取得できます。情報・医療福祉・美容・工業など多彩な分野を学べ、専門学校への進学も可能です。不登校経験のある生徒や特性を持つ生徒も多く、個性を尊重した教育が特徴です。軽度知的障がいや境界知能のお子さんは、学校側と相談し、特別な配慮の有無や学習環境を確認することが大切です。

学校選びで大切なステップ

1.事前リサーチ

まずは、気になる学校の公式サイトやパンフレットを確認し、支援体制やカリキュラムの内容を把握しましょう。特別支援の有無や、学習サポートの充実度、授業の進め方などをチェックすることが大切です。また、学費や通学のしやすさなど、実際に通う際の条件も考慮しておくと安心です。

口コミサイトやSNS、在校生・卒業生の体験談を参考にすることで、学校の実際の雰囲気や指導の特徴を知ることができます。可能であれば、保護者の意見や経験も確認し、多方面から情報を集めると良いでしょう。

2.体験入学・学校見学

実際に学校を訪れ、授業の雰囲気やサポート体制を確認することはとても重要です。オープンキャンパスや個別相談会を活用し、教師や在校生と直接話すことで、支援の具体的な内容や先生の対応を詳しく知ることができます。また、学習環境や校内の設備が本人に合っているか、落ち着いて学べる環境が整っているかも確認しましょう。特に、支援が必要なお子さんの場合、クラスの雰囲気やサポートスタッフの対応が本人に合っているかをしっかり見極めることが大切です。体験授業に参加できる場合は、実際の授業を体感し、学びやすさをチェックしてください。

3.専門家や支援機関への相談

学校選びに悩んだ際は、教育相談センターや発達支援機関などの専門家に相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。境界知能の特性を理解した上で、どのような環境が適しているかを専門的な視点から提案してもらえるため、より確実な選択ができるようになります。特別支援教育に詳しいカウンセラーや学校関係者に意見を聞くことで、本人に合った進路を見つけるヒントを得られます。場合によっては、福祉サービスや支援制度についての情報も提供してもらえるため、将来の選択肢を広げることにもつながります。

境界知能のお子さんに関する相談先

地域の相談機関

まずは、普段から利用している「かかりつけの小児科医」に相談してみましょう。小児科医は発達障がいや知能障がいなど、子どもの発達に関する豊富な知識を持っています。小児科医を通して、アドバイスや地域の支援機関を紹介してもらうこともできるので、相談して頼ってみましょう。

また、自治体の「児童相談所」でも18歳未満の子どもに関する相談を受け付けています。児童福祉司や児童心理司といった専門知識を持つスタッフが在籍しているので、相談されたい場合はお近くの自治体の窓口へ連絡してください。

児童発達支援センター

児童発達支援は、障がいのあるお子さんの特性に合わせて日常生活や社会生活を営むサポートをしている施設です。利用するには自治体の障がい福祉窓口を通すことになりますが、お子さんが将来自立するのに必要な技能や知識、日常生活に必要な基本動作などの専門的な訓練ができます。

まとめ

境界知能のお子さんは、努力をしていてもなかなか学校や日常生活で周りに認められないことが多く、自信喪失や非行などに陥りやすい傾向があります。お子さんのやる気を向上されるためにも、気がかりな行動が見られたら、早めに専門家へ相談して、周囲の支援を得ることが大切です。

進学を考える際には、境界知能であることを本人や保護者が確認したうえで、学習支援があったり楽しいスクールライフが過ごせる環境が整っている学校を選ぶようにしましょう。

不安な事は家庭で抱え込まずに、専門機関の窓口に相談してみるといいでしょう。

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